2015年3月14日土曜日

論文の不正について思うこと

それにしても、最近は、

次々と論文の不正が出てきているみたいですが、

なんのために博士号を取ってるんだろう。

まー、名誉と見栄のため、ってことなんだろうなー。


私が博士課程在学中は、

自分で考えた新しいコンセプトを実証するための手段が実験、

という認識だったので、

いつも実験結果を見るのが楽しみだったことを覚えてます。

もちろん、プレッシャーもありましたが。。


私は有機系ですが、

博士課程1年目の最後の方に、

反応容器内の溶液の色が変わってめっちゃ興奮し、

そのNMRチャートを見たときの感動は今も忘れません。

それまでに数百の失敗がありましたが、

データを作ろうなんてことは思わなかったなー。


もし結果が出ないままにさらに1年続いたら、

データを作ろうなんて気持ちも出てきたのかなー。。

いや、やっぱりそれはないな。

今言ってもなんの説得力もないけど。


基本的に、

新しいコンセプトを考え出せる人間になりたい、

というのが、

博士課程進学のモチベーション。

今ももちろん、社会に役立つ研究をしたいので、

名ばかりの博士号には何も意味がないと思ってました。

その考え方さえ学ぶことができれば、

極端な話、博士号がなくても良いかな、と。

結局は、

アメリカに来ることになったので、

博士号を取得しておいてよかったですが。


不正をするような人間は

一時的に何かがうまくいくことはあっても

真にイノベーションを生み出したいときには役に立たないと思います。

本当に苦労して博士号を取得した人は、

貴重な人材として、企業、研究所において重宝されるべき。

苦しいときに粘り、

何も無さそうなところから何かを生み出せる。


最近の博士の冷遇は、

論文を不正するような志も能力も持たない人たちが、

博士のすばらしさを周囲に伝えきれず、

博士の価値を下げているからだと思います。

ただ、

過ぎてしまったことはどうしようもないので、

そういった人たちもここから挽回して欲しい。

博士号を取得できるくらいだから、我慢強いことは間違いないと思うので。


とはいっても、

まずは、

博士号取得のプロセスは厳しくあってほしい、

と切に願います。

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